第3回 SSTR 2014 レポート

第3回SSTR(サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー)

開催日:2015年5月30日(土)~31日(日)

日没時刻:19時05分
ゴール地点天候:晴れのち小雨

参加台数:913台
参加人数:955人(タンデムライダー42人)

 

【日程】

5月30日(土)
15:00~ゴールゲートオープン
21:00~国立青少年交流の家の特設ステージにてトークショーを開催
ゲスト:中野真矢(元GPライダー)・古澤恵(タレント)
21:30~ホテルゆ華特設会場にてトークショーを開催
ゲスト:鈴木忠男(SP忠男代表)・賀曽利隆(冒険ライダー)

 

motorise_nakano

中野真矢

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古澤恵

Suzuki_Tadao

鈴木忠男

Kasori_Takashi

賀曽利隆

 

5月31日(日)
9:00~千里浜特設野外ステージにて、完走祝賀会、特筆すべき参加者の紹介、抽選会、スペシャルライブを開催
スペシャルライブ:山口智充(ものまね、弾き語り、道中で作ったSSTRオリジナルソングを披露)
千里浜にて、羽咋市の皆さんによるご手配によって、「一人一砂運動」に参加
12:00閉会

 

山口智充C400400-1

山口智充

 

 

 

【ルール概要】

・日の出スタート、日没ゴール
・ポイント制は廃止
・完走条件は5都道府県以上の道の駅もしくは高速道路のSA、PAのスタンプ
・125cc以下の完走条件は3都道府県以上の道の駅もしくは高速道路のSA、PAのスタンプ
・道の駅狼煙のスタンプは他の石川県内のスタンプがあっても必須の5個(125cc以下は3個)に含めることができる

 

 

【レポート】

Reported by 風間深志

 

 

<2015 SSTRを終えて。>

SSTR2015参加ライダーの皆さん、大変お疲れ様でした。

5月30日、とにかく長かった「千里浜」への道程。そしてまた翌日の帰路も同じだけの長さを折り返し、無事に帰宅されたものと信じています。

さて今、僕の胸の内に、あの日あれだけ多くのライダー達が集まってくれたのに、せっかくのいいチャンスだったのに、多分伝え切れなかった?というモヤモヤ感が残っています。

 

それは、SSTRは単に日本中のライダー達の集まる「お祭り」イベントではなく、我々が愛して止まないモーターサイクルの、日本のツーリング文化の進化を担う重要な「ステータス・イベント」なのだ。と言うことを、ちゃんと伝えることが出来なかった?という思いからです。

ステータスである証は、あの日あの場所までの皆さんの素晴らしい走りにあります。参加者の殆ど総ては500km~1000kmを不眠不休で走り抜けて千里浜のゴールを踏みました。手は痺れ、腰は痛み、眠気を押さえながら、眼前に広がる海に癒されつつ、今日一日を走り終えたことに感謝をしました。

 

そのようなライダーの一人一人とGOALで握手を交わし、フィニッシャーズバッジを手渡すとき、疲れ切った彼らの口からは次ぎ次ぎに「素晴らしい企画をありがとう!」の言葉を頂きました。ねぎらうべきはこちらの筈なのに、反対にねぎらわれ、涙が止まりませんでした。

なぜ、ライダーは苦しみに感謝するのだろう? なぜ、ライダーは厳しさと困難に立ち向かうのだろう? そして、そもそもなぜ、わざわざ不自由極まりのないバイクに跨るのだろう?

僕は20代のジャーナリストの頃からずっと、「バイクの魅力とは一体何なのだろう?」と考えて来ました。自ら北極や南極、エベレストにバイクで向かったのも、そうしたバイクの魅力や可能性について訴求したいからでした。

結果は、自然の魅力=バイクの魅力。けれど、その楽しみ方や感じ方は十人十色です。云えることは、人は自然と一つに結ばれたときに、言いようのない「幸福」を感じるものだ,ということです。

 

SSTRは、朝に、東の海に昇る太陽を眺め、夕に西の海に沈む太陽を眺めるという、天体宇宙の一日の始まりと終わりの法則を、最も自然を身近に感じるバイクを使って、長丁場の時間軸と壮大なるスケールの空間軸で繋ぐ長旅を参加者の全員で共有した一日でした。

誰一人として手を抜いた者などは居なかったはずです。全員が厳しい条件下を全身全霊の集中力と満身創痍で戦った勇者なのです。しかも、この日の事の始まりと終わりは、誰もが憧れを抱く青く美しい「海」というお膳立てです。

 

日本列島の「横断」や「縦断」というダイナミズムを携えながらの「海」との出会い、8kmのラスト・ランは誰においても感動的で満足のいくものだと思います。そのようなGOALだからこそ、「千里浜」は私たちの「聖地」と呼ぶにふさわしい場所なのです。

このSSTRに出場した総ての皆さんに、バイクに乗ることの自信と誇り、そして「優しさ」を持って頂けるものと信じています。バイクはフタを開けてみれば、厳しく、辛く、激しい乗り物です。だからこそ我々は、そこから垣間見える「温かさ」や「美しさ」「優しさ」の本当の意味を知っているのだと思います。

 

また、SSTRは何処ぞの「お客様優待」ミーティングとは違います。自ら進んで設定したテーマに参加費を出して挑み、自己完結をして頂くのが狙いです。

SSTRをはじめる一つの動機には、ある伯父さんライダーの発言がありました。「温泉も行き尽くしたし、グルメももう飽きた。行くところがないから最近はバイクには乗らなくなった」と。この言葉に、僕は、日本のモータースポーツシーンを牽引すべきモーターサイクル文化の先行きへの不安を覚えたのです。

モーターサイクル文化の根幹を作るツーリングライダーにこそ、GPライダーにも負けない程のバイクへの情熱と誇りを持って頂きたい!そんな気持ちを心に抱きながらの「サンライズ・サンセット・ツーリング・ラリー」です。今後とも振るってご参加ください。

 

参加してくれた皆さんに心より感謝を申しあげます。ありがとう!

2015年6月5日 SSTR 風間深志

 

【ステージで紹介された方】

ゼッケン 439
氏名 橋口勝
年齢 48歳
参加回数 2回目
住所 愛知県名古屋市
出発地 愛知県名古屋市港区金城埠頭
マシン ヤマハ XJ6N
走行距離 398km
選考理由
奥様、娘さん、娘さんの彼氏の家族4人でそれぞれバイクを運転しての参加だった。娘さんは女性の最年少ライダー19歳だったことも選考理由。

 

ゼッケン 75
氏名 古川奈々
年齢 39歳
参加回数 初参加
住所 兵庫県神戸市
出発地 名古屋港ポートビル付近
マシン ホンダ ハンターカブCT110
走行距離 352.2km
選考理由
「千里浜で会おう」の文字とハンターカブの写真が入ったビスコを特別注文し、道中でSSTRのことを知らないライダーに配りながら来た。仲間のハンターカブ4台で楽しそうにゴールインした姿が印象的だった。

 

ゼッケン 62
氏名 津坂浩
年齢 62歳
参加回数 初参加
同乗者 津坂法子
住所 三重県津市
出発地 三重県津市「津なぎさまち」
マシン ホンダ スーパーカブ 85
走行距離 340km
選考理由
「疲れから後席の妻にゴチャゴチャ言うな!と言ったら何で連れてきたん!と怒られた。道中の半分以上熟睡する妻。背中にのしかかる妻の体重を耐えるラリーとなった」とのコメント。それでも自慢話としては「妻とタンデムいつまでも」とのこと。微笑ましいタンデムツーリングの光景が目に浮かぶようだったことが選考理由。

 

ゼッケン 119
氏名 西出治
年齢 49歳
参加回数 3回目
住所 埼玉県熊谷市
出発地 青森県大間崎
マシン スズキ V-Storom1000
走行距離 1,057km
選考理由
第1回に最高ポイントを稼ぎMVPを受賞している。今回ポイント制度を廃止したが、最北端からのチャレンジを試みて成功させ、そう来たか!」と風間深志を唸らせた。ルートプランニング能力の高さとそれを確実に実行するライディングスキル、ナビゲーションスキルの、体力等々、オートバイライダーとしての総合的な能力の高さは2回目の紹介に値すると判断した。

 

ゼッケン 238
氏名 楠幸久
年齢 51歳
参加回数 2回目
住所 愛知県名古屋市
出発地 名古屋港ポートビル付近
マシン BMW F700GS
走行距離 360km
選考理由
息子さんと2台で参加。昨年親子で登った御嶽山で噴火に遭遇し九死に一生を体験。今日という日が当たり前にあることに感謝とのコメント。能登半島最高峰の宝達山に息子さんと共にのぼり、千里浜を一望する景色を堪能して最高の一日になったとのこと。

 

ゼッケン 1
氏名 横島茜
年齢 36歳
参加回数 初参加
住所 東京都葛飾区
出発地 静岡県静岡市 東名高速道路 由比PA
マシン カワサキ W800
走行距離 471km
選考理由
エントリーが最も早くゼッケン1番を獲得。何度もGoogle Mapsでプレ走行を行った。道中ではルールブックを落とすトラブルもあったが笑顔で無事にゴールし感動した。

 

ゼッケン 701
氏名 岩本仁宏
年齢 34歳
参加回数 初参加
住所 東京都青梅市
出発地 静岡県御前崎市
マシン カワサキ KSR-Ⅱ
走行距離 449km
選考理由
本番の2週間前にエントリーしたホンダCRF250Lが盗難にあう。カワサキKSR-Ⅱを急遽レストアしその様子を日々facebookグループにレポートし、参加者の応援を受ける。困難にめげずにスタートし完走を成し遂げたことを評価した。

 

ゼッケン 765
氏名 小嵜万見子
年齢 27歳
参加回数 初参加
住所 鹿児島県肝属郡南大隅町
出発地 神戸フェリーの甲板上
マシン カワサキ ゼファー
走行距離 360km
選考理由
本土最南端となる鹿児島県佐多岬から弟さんと2台で参加。出発時には桜島の大噴火にも遭遇。火山灰で真っ黒になりながらスタートする。道中に出会った人の応援を受けて、手が痺れてもお尻が痛くても頑張れた。

 

ゼッケン 20
氏名 堤将基
年齢 35歳
参加回数 3回目
住所 埼玉県鶴ヶ島市
出発地 岩手県宮古市重茂
マシン ヤマハ TDM850
走行距離 884km
選考理由
本州最東端の岩手県宮古市からスタートし900km近く走行した。震災後、新たな防波堤ができ水平線からの日の出が見えないことに現地で気が付き急遽スタート地点を変更。地元の漁師さんたちが朝日の登る良い場所を案内してくれて、みんなで見送ってくれて感激した。

 

ゼッケン 54
氏名 土田満
年齢 57歳
参加回数 2回目
住所 千葉県松戸市
出発地 名古屋市港区金城埠頭
マシン ホンダ リトルホンダP25
走行距離 286.9km
選考理由
約50年前の非力なペダル付きの原付きで完走。直前にエンジン不調になり新しい車両を手に入れて組み合わせてバイクを作った。上り阪では思っていた以上に足漕ぎが必要で苦労した。前年はカブで541km完走している。

 

ゼッケン 213
氏名 中野秀樹
年齢 60歳
参加回数 初参加
住所 東京都八王子市
出発地 神奈川県茅ヶ崎市サザンビーチ
マシン  BMW R1200GS
走行距離 443km
選考理由
公立高校の校長を同年の3月に定年退職、定年退職記念のツーリングとしてSSTRに初参加した。千里浜のゴールと教員生活のゴールが重なり涙した。5年前に普通二輪と大型二輪免許を取得し、55歳でライダーデビューした。定年後の第2の人生のひとつのお手本として選考した。

 

ゼッケン 341
氏名 原田泰三郎
年齢 57歳
参加回数 3回目
住所 愛知県愛知郡
出発地 新居浜弁天公園付近
マシン ホンダ XE75
走行距離 463km
選考理由
体に麻痺があるが毎回参加し全国のライダーと交流を深めている。、昔盗まれて戻ってきた縁の深い約40年前のバイクで参加。道中でアクセル全開が続きコンロッドが折れるかと思ったが無事に完走した。

 

ゼッケン 581
氏名 池ノ内克彦
年齢 75歳
参加回数 初参加
住所 静岡県袋井市
出発地 静岡県 御前崎海岸 みさきの広場
マシン ヤマハ TTR 250
走行距離 471km
選考理由
今回の最高齢の参加者。バイクに入れ込んで半世紀。2年連続で手を折り、足を折りしたが、75歳にしてSSTRに挑み最高の気分でゴールできたとのことから選考した。

 

【参加車両数】
913台 (内タンデム 42台)

 

【参加人数】
955人

 

【男女比】
男性 839人 女性 116人

 

【参加者平均年令】
45.9歳

 

【都道府県別参加人数】41都道府県

神奈川135、東京134、愛知84、静岡82、埼玉64、千葉59、大阪57、兵庫24、宮城23、栃木23、京都17、福島14、広島14、茨木14、三重14、滋賀14、群馬12、岡山11、香川11、岐阜9、愛媛9、山梨9、高知9、石川9、
福岡8、富山7、山形6、長野6、奈良5、新潟4、大分4、熊本4、北海道3、岩手3、和歌山3、 山口2、鹿児島2、徳島2、福井2、青森1、秋田1

 

【メーカー別参加台数】
Aprilia 3、BETA 2、BMW 143、BUELL 3、DUCATI 17、GASGAS 1、Harley-Davidson 41、HONDA 232、Husqvarna 3、IMZ-URAL 2、KAWASAKI 104、KTM 34、Norton 2、PIAGGIO 2、RIEJU 4、SACHS 2、SUZUK I81、SYM 1、TRIUMPH 39、TUONO 1、YAMAHA 172