PREMIUM SSTR シンポジウム(後編)「夢と共に走り続けるSSTR」その思い・提言など

SSTR未来への提言、キーワードは?

(池田教授)

実は昨年のSSTRの時、「SSTRに参加する理由」について参加者の皆さんに簡単なアンケートを取らせていただいたんです。

結果として多かったのはやはり、「風間さんに会いたいから」

これは非常に多かったんです。

そして、「夕陽を見たい」「千里浜を走りたい」というのももちろん多いわけですが、「原田さんはじめ地元の方と触れ合いたい」というのも多くありました。

また「今後のSSTRについての希望」について伺ってみると、「今回は息子さん、あるいは奥さんとタンデムできたので、次は2台で来たい」等、どんどんと夢が広がっていく様子が見て取れるんです。

そういう夢を形にしようという気持ちが、社会を作っていくパワーそのものですし、生きるということそのものだと思います。

そういうライダーの夢だけでなくSSTRでは、地域の方も「次はこういう歓迎をしよう」と夢を持って臨んでくださっていたり、また、これまで参加する側だったライダーが次からは運営ボランティアとして地域と一緒にライダーを迎えたり。

走る人、受け入れる人どちらもが同じ気持ちでやっているというのがSSTRの特色で、世の中の本来あるべき姿なのではないかと思います。

とはいえ、一つの想いを貫く中で、時代によって変えなくてはならないないものだったり、失ってはいけないものというのもありますが、風間さんの思いは最初の冒険のころから恐らく変わっていないのではないかと思うんです。

私はそういう風間さんの姿に「童心」というものを感じるんですが、やはり自分の子ども心っていうのは失ってはいけないものなんだなと思うわけです。

夢をもって取り組むというのは大切な心。

風間さんはこの先の10年、「こんなSSTRをしたい」という夢、キーワードをいただけますか?


(風間深志)

難しいですね(笑)

「文化とは人の広がりだ」ということで、能登から始まり、石川県下一圏に広まり、また北陸3県に広まっていく。

そういったものになっていけばいいと思っているし、ライダーがその橋渡しをしてくれればいいなと思っているところです。

「ライダー」と言ってひとくくりにするけれど、ライダーってやっぱり「人」なんですよね。

(ここにだって)図書館職員の人、新聞社の所長さんもいるし、お酒大好きな人もいる。

オホーツクの牧場の人、ITの最先端の人もいるよね。

みんなそれぞれの仕事をもっていて、それぞれのプロフェッショナルなんだ。

そして共通しているのは、バイクという足を持っているということ。

とりもなおさず、それをとても大切にしているということが共有の財産ですよ。

さらにこのSSTRの舞台、千里浜は今後たぶん、世界で最大の観光地になると思う。(含)

それを実現するにはどうしたらいいかという大きな夢を持っているのだけれど、これはSSTRで皆さんに協力していただきたい。

今は寝言に近い夢かもしれない、けれども、SSTRを世界でも有名なイベントにしたいよね。


(池田教授)

10年前に「1万台!」と言った風間さん。

さらに大きな夢をお持ちであるということで、これは期待したいですね。

先ほど岸市長からは既に頂きましたが、最後に皆さんから、未来のSSTRに向けてお一人ずつキーワードを伺っていきたいと思います。

では、大倉さんからお願いします。


(大倉正之助さん)~SSTRを「原点回帰」のきっかけに

今、世の中では人の分断がいろいろなところで起きています。

ただ、疫病にしても争いごとにしても、歴史をちゃんと見ていくと、人類はそれらを乗り越えてきているわけです。

ですので、今起きていることに翻弄されるのではなく、歴史の辿った冷静な視野を、SSTRに関わることで手に入れることができるとすれば、それは本当に素晴らしいのではないかと思うんです。

例えば、SSTRに参加したことでそれが、人間が生命であるという意識に回帰させる機会になったり、そういう気付きに導く機会という意味で、「原点回帰」というのが、今後のSSTRの一つのキーワードになると思います。

 

 


(寺田陽子さん)~SSTRで「想いを届ける」

キーワードは「想いを届ける」だと思います。

私はもう何回もエントリーさせていただいているのですが、皆さんにはオープンにしない中で、風間さんが地元の自治会にくまなくあいさつ回りに行かれていたり。

私も千里浜の皆さんのもとに足しげく通ううちに、そういった話は耳にしながら、私たちの見えないところで(風間さんが地元の方々と一緒に)凄くいろいろな風に動いてくださっていることを知りました。

SSTRに参加しているライダーの方々もきっと、地元の方々に感謝しながら参加されている方が多いのだと思いますので、小さなことでもよいので、私は皆さんを巻き込みながら、地元の皆さんに感謝の想いを、風間さんや地元の方に届ける活動をしていきたいと思います。

 


(原田 栄さん)~「おかえりぃ!」

キーワードというか…、

私たちはこれからもずっと「おかえりぃ!」と、SSTRを応援していきたいと思います。

私と冨山さんはもう歳なの頑張れるだけがんばるのだけれども、今千里浜町総区長の佐々木さんが若いので、まだまだ続けていかれると思うので、また応援したいと思います。

よろしくお願いいたします。

 


(長谷川 明子さん)~SSTRは「免疫力の活性化」の源

弊社の小田(取締役)がいつも申しますのは、「旅館は明日の活力注入業、明日の元気を養っていただくために一所懸命おもてなしをしなさい」ということです。

先日、抗加齢学会が当館で開かれた折に、アンチエイジングのドクターから頂いた言葉なのですが、温泉にお入りになって「わぁ~、気持ちいいなぁ」と思うあの瞬間、人の免疫力が非常に高まるのだそうです。

温泉や湯舟に入られるときにはこのお話と、そして千里浜を思い出して免疫力を高めて、また遊びに来てください。

また能登でお待ちしています。

今日はありがとうございました。


(平 八郎さん)~「点から面」で関係地に

僕は東京生まれ東京育ちですが、金沢は自分の故郷のように思っています。

それはやはり、金沢で出逢った人たちなんですよね。

主催者と地元、これまでも車の両輪のように歩んできたと思うのですが、参加される人たちが、先ほどの寺田さんのお話で、知らない家に飛び込んじゃったというような、ハチャメチャな失敗談なんだけれども、そこから親戚づきあいのような、人と人とのつながりができてきたんだろうなと思いますし、またそれを受け入れる土壌を持った土地が石川県であり能登半島なんですね。

ですから是非皆さん、各々に何らかのきっかけで、地元の人々とつながりを持っていただきたいと思います。

つまり、「スタート地点から千里浜ゴール」という「点から点の関係」を、どんどん「面の関係」にしていただく。

走ることで千里浜、能登、石川をご自分の「関係地」にしていってほしいと思います。


(池田教授)SSTRライダーは「夢の模範」

全国各地からライダーが集まって行われるのがSSTR なわけですが、やはり「安全運転」ということが一つのキーワードになると思います。

実はここに、私が小学校1年の時に学校で配られたハンカチがあるのですが、ここにはこう書いてあります。

「僕たちで、模範を示そう交通規則」

つまり、SSTRの皆さんはある意味模範ライダーだと思うんです。

ここでいう模範というのは、自分の思いや夢を持ち続けていくこという意味です。

ほかの人たちがその姿を見て「いいなぁ」と思ってもらえるような、そしてそう思った人が同じ夢をもって、やがてその夢を完成させていく。

そのためにも、他のドライバーを怖がらせない追い抜きの仕方、横断歩道を渡る歩行者へのまなざし等、相手を思いやるマナーを大切にしてほしいと思います。

「いい社会を創ろう」「楽しくやろうよ」そう言葉に発するのは簡単です。

しかし、それはここにおられる様々な皆さんがそれぞれのお立場でいろいろな知恵を出し合って、「旅」・「ツーリング」・「オートバイ」と言った共通のキーワードでそれを形にしていくことが大切です。

また、そういうものを一つにする大きなキーワードとしてSSTRというものがあるのだと思います。

皆さんの夢をもって安全運転で走り続けることで、周囲の人々の夢を呼び起こし、そうしてSSTRが今後さらに続いていくわけです。

最後に風間さんから、大きな一言をいただいて、シンポジウムを締めくくりたいと思います。


(風間深志)

うーん、すごい難しいですね(笑)

もちろん文化というのはそれぞれの価値観やライフスタイルといったものに関係するので、一言では言えないけれど、こうやって試行錯誤しながら、「カルチャーって何だろう?」「二輪文化って何だろう?」って考えること自体が素晴らしいことだと思うし、今日ここに来てくれた皆さんがいてくれれば素晴らしい将来が切り開けるという確信を持ちます。

先ほども長谷川さんから「免疫力」というお話が出たけれども、寺田さんのお話のように、千里浜の冨山さんをふるさとのように思い出すというのも、免疫力が高まるっていう話だと思うんだよね。

地域にそういう風情が漂っているというと、「わぁ来てよかったなって」本当に免疫が上がるんだろうね。

元々僕らはバイクに乗るだけで免疫が上がるものだからさ。(笑)

能登はものすごくアグレッシブで魅力たっぷりな場所。

ここを故郷のように思いながら、日本の風情や旅情をさらにさらに広げていくことはとても正しいこと。

バイクを軸にしながらそれができるというのは本当にいいなと思います。

世界に目を向けると、アメリカのフロリダ半島にはDAYTONAビーチというのがある。

それからオーストラリアにはグレートバリアリーフ。

その中において、日本の千里浜は世界に冠たるもので、物凄い可能性を持っている。

先ほども言いかけたけれど、ここにはいろいろなプロフェッショナルな人が集まっているわけですが、そいう言う人たちの力を結集して、ドでかい夢を奏でていこうと思っています。

具体的には言えないですよ…。(笑)

とにかく、可能性に満ちた未来が広がっていると確信していますので、あと10年ぐらいは老いぼれてもやっていきたいと思っています。

今日はどうもありがとうございました。


その後は全員で記念撮影。

 

これから各々の日常に戻っていく、様々な地域の、様々な立場のライダーの皆さん。

11年目の千里浜で、またお会いしましょう!


SSTRがあゆむ「道」

SSTRを創り上げ、共に支えてきてくださった方々がそれぞれの視点で語られた「SSTR創生からの道のり」と「未来への道筋」。

皆さんはパネリストの皆さんの言葉から、どんなものを見つけることができたでしょうか。

皆様のお仕事や日常の生活の中でこのシンポジウムの内容を、コミュニケーションを豊かにする「ヒント」として、有意義に活かしていただければ幸いです。

私たちはこれまで多くの人々と共に、SSTRが築いてきた「旅とバイクの文化」を、今後ますます大きく育ててまいりますので、引き続きのご参加・ご支援賜りますよう、よろしくお願いいたします。

 

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なお、今回の様子はVidemoの動画で、動画としてご覧ただくことができます。